究極のスカイライン 最終進化型

ワークスGT-Rも通算50勝を超えた時期以降 宿敵ロータリー勢の開発状況も進み楽には勝てない状況になって来た。

1972 10.10 富士GC第4戦 富士マスターズ250キロレースのワークス最後のレースまでの間 更なる開発には

目覚しいものがあり 次々と新しい試みが投入された、そのマシンこそがKPGC10-Rの最終進化型なのです。

その最終型の詳細紹介はほとんどされていないのが寂しい事ですが少ない資料から出来るだけ詳しく紹介してみよう。


4DRで一気に確立洗練されたGT-Ringとなり それをステップに更なる進化型ハードトップと言う骨格を身にまとい

格段に運動性能を進化させる事により磨き上げてきたパワーも効率良く発揮させる事が出来るようになった。




S20型エンジンのルーツ GR8型エンジン


R-380もV改までくるとGR8型エンジンも250PSまでパワーアップさてきている


=S20型エンジン=





=ワークスGT-R S20型エンジン=

スカイラインGT-R同様S20型エンジンを搭載していたフェアレディZ432は L24型エンジンに切り替えて240Zと

なった。‘713月富士GCシリーズ第1戦でこの240Zによって高橋国光が6kmコースでベストラップ2分を切ったが

GT-Rは2分00秒台でいま一歩及んでいない。今後の排気公害対策として複雑な構造を持つS20型エンジンは苦慮

される事になるのでL24型エンジンを搭載する案まで浮上。富士6kmコースでの性能を計算により比較検討した。

S20型とL24型エンジン搭載車の性能比較
  最高出力(PS/rpm) 最大トルク(kg-m/rpm) 車両重量K(kg) 最終ギアレシオ ラップタイム
 S20型エンジン  253/8.500  21.94/6.800  1.020  4.875  2分02秒37
 L24型エンジン  236/7.000  24.70/6.800  1.000  4.111  2分03秒62

L24型エンジンは最高出力回転数と最大トルク回転数が近く高速トルク発生型で S20型エンジンは

中速トルク発生型。ファイナルギアレシオを考慮した駆動力から判断すると中速域ではS20型エンジンが

有利となり コーナーでの立ち上がりも速い。またストレートでも最高出力差が現れてS20型エンジンが

有利である。L24型エンジンの今後の開発計画によると260馬力を目標としており 実現すれば最大出力

ではS20型エンジンより有利となるが S20型エンジンも燃焼室改良などによりまだまだパワーアップの

可能性があるので両者の出力に明らかな差が見られずL24型エンジンが必ずしも有利であると言えないという

結果となった。

「スカイラインGT-RはS20型エンジンが搭載されている事に大きな特徴があったのでL24型エンジンが有利との

結論にならなかった事は私にとって安堵した代わり 一日も早く2分の壁を切る事が私の責務のように感じ

これに挑戦する気持ちも高まってきた」〜青地氏談

S20型排気量アップ構想
この頃ロータリーはM12A型でレシプロ換算で2.292ccに相当する。L24型エンジンの事も有りS20型エンジンを

容量増大した場合について検討。シリンダーブロックとヘッドはそのままとし シリンダーライナーの肉厚を薄くする事で

ボアアップし それに合わせてピストンを新製する計画を構想。2.2リッターエンジンが完成、台上試験結果は無調整で

軽く270馬力が得られトルクカーブもフラットとなり非常に期待が持てるエンジンに仕上がる。

この結果エンジン容積を増大したがシリンダーヘッドの吸排気関係はそのまま使用していたことから「吹かし実験」に

おける吸排気関係に疑問を持ち 改めて「吹かし実験」と実機による台上実験との関係を見直し。

「吹かし実験」を中心に出力向上を進めた場合には吸排気バルブ径とポート径を増大して充填効率を上げる結果として

馬力は上がるがトルクカーブの凸凹が大きくなり走りにくいエンジンになる。そこで再度燃焼室関係を見直す事で試作した

エンジンで実機実験を繰り返した結果 吸気を多球形、排気をペントルーフ形状とした燃焼室が馬力が上がりトルクが

フラットになる性能結果を得られた。

こうして得られたデータを組み込んで排気量は上げず燃焼室改良のみで性能向上すべくカムシャフトのオーバーラップと

リフトを見直しインジェクションの燃圧変更で レスポンスの良いエンジンに仕上げる事が出来た。これによってコンス

タントに260馬力が出るようになり 最高で264馬力が得られた。このエンジンを搭載したGT‐Rが72年10月

富士マスターズ250キロのTSレース予選で黒沢が1分59秒70をマークする事が出来た。

※何故ボアアップエンジンS22型に着手しなかったか。

すでに↑上記に記したS20型エンジンベースのボアアップ版2.200ccエンジンは試作完成されていて台上実験で 

無調整で軽く270馬力が得られトルクカーブもフラットで非常に期待の持てるエンジンに仕上がっていた。

73年1月にGT‐Rも新しい “ケン・メリ”のボディとなったハードトップが登場して 車両寸法もひとまわり大きくなり 

レース向きのクルマとは言えずポテンシャルが高いものとは言えなかった。いつまでも旧型となったクルマでレースを

続けるわけにいかなくモデルチェンジの時期ともなっていた。そして世は自動車の排気ガスが大気汚染の元凶として

社会問題となっておりレースどころではなくなっていたのも事実です。しかしスカイラインGT-Rは“2.000ccで何処まで

性能を追求出来るか”と言うコンセプトが原点で 実際は2.000ccのままで行く事となった。


最終ワークス仕様 HT GT-R S20;264PS/8.400rpm
(実質12.000rpmまで回していた)

ワークスGT-Rに関する関連事項


=追補=

1972 9.2 富士GC第3戦 富士インター200マイルレース ワークス最後の1勝を収めたレースに向けての開発では

富士のテストでL型2.4リッターのエンジンを積んだGT-Rと 軽量ボディGT-R+S20エンジンの

2台を持ち込んで比較テストが行われたらしい。結果は2.4リッター車より 軽量S20エンジン車の方が速かった。

勿論 最終ワークス仕様車(約935kg前後まで軽減されている)より速い事は言うまでも無い。

=エンジン詳細=

最終ワークスHT・GT-R;264PS/8.400rpm

1.800km毎にオーバーホール設定 エンジン許容回転:10.000(〜12.000)rpm

=吸気装置=

当初ウェーバー使用三国工業製ソレックス40PHH↑ 〃 44PHHウェーバー44(ワークス)


⇒最終:ルーカス機械式低圧燃料噴射装置(スライドバルブ方式 下記↓解説) ‘69 8月27日4DRに投入


エアホーン:長さ選定 インジェクターの位置選定(その都度「吹かし実験」でベストを設定)



インマニ:マグネシューム合金に変更

=エンジン=

開発前提

シリンダーヘッド・カムシャフト・ピストン改良を中心に「吹かし実験」にて常に実施

回転のレスポンス向上の為回転部分の慣性モーメントについて常に全体的に見直す。

カムシャフト:(その都度「吹かし実験」でベストを設定)




ヘッドガスケット0.8t&ハイコンプ軽量鍛造ピストン(一本リング)


バルブリフター焼付き対応:ヘッド側に燐青銅ブッシュを鋳込み対策(初期段階で)

コンロッド:チタン合金の鏡面上げ


クランクシャフト:動バランス取り(センター出し含む)及び鏡面仕上げ

シリンダースリーブ:クロームモリブデン鋼削出材

シリンダーブロック内:バリ取り 鏡面仕上げ950

フライホイル:軽量タイプ新設

潤滑:ドライサンプ方式


=点火系=

点火方式:CDイグナイター(コンデンサー放電トランジスター式)及びプラグギャップの見直し


=排気系=

エキパイ:独立型等長式 R380〜383同様モナカ型合せ彫金等長管


マフラー:全長が短い方がパワーが得られ軽量化にもなり テール部をボディサイドに斜め横向きに出し方式、テール

パイプ出口をデヒューザー型に加工(形状は円形パイプから扁平デヒューザー出口までの形状変化を断面積が同じに

なるよう配慮加工) 結果:低速トルクも向上、中速域のバラツキ解消 ただ耐久性に難有り〜ファクトリーのみ採用




=解説=

機械式燃料噴射方式は 140PS/g以上の高度なチューニングに際して必要不可欠な燃料供給方式である。


ルーカス燃料噴射装置:Rの場合 低圧機械式ポンプをコックドベルトで燃料を加圧し レギュレータによって 10kg/cuに

一定に調圧してメータリングディストリビュータに送る。メータリングディストリビュータでは スロットルバルブ開度と

連動して作動するカムにより制御されるシャトルのストロークによって燃料を計量し 点火順序に従って各気筒の吸気管に

設けたインジェクターに分配し噴射する。従って1回の噴射量はシャトルの径(断面積とストロークで決まるが 大量の

噴射量を必要とする場合(すなわちシリンダー容積の大きい場合)には シャトル径の大きなものが設定されている。



スライドバルブ方式:スライドバルブ方式はポート径と同一径の開口部を持った仕切り板を移動させる事により 全閉から

全開まで制御する型式である。この方式は全開時に通路内の抵抗物が一切無くなる為 バタフライバルブ式の欠点は

解消するが摺動面のクリアランスが必要な為気密性が悪い事 吸入負圧によってバルブが引っ張られる為開き始めの

作動がスムーズで無い事 構造が複雑になる事などの欠点が有り レース用エンジンではこの長所を活かして用いられて

いる。張り付きに対しては従来の鉄製の3mm厚をジュラ系アルミ合金の10mmにし ローラーベアリングの潤滑は封印された

グリスによりベアリングの当たり面を鏡面仕上げで対処。



=チューニング理論=

ガソリンエンジンの空気、燃料混合システムは基本的に気化器と燃料噴射(フューエルインジェクション)とに

分けられる。気化器は構造が簡単でコストも安いがベンチュリーの負圧変動によりエンジンの要求する混合比が

得られ難く長いマニホールドによって混合気を分配するので各シリンダーへの配分もよくない。特にレーシング

エンジンは限られた排気量の中で最大のパワーを出さなければならないのでエアヒューエルレシオ(空燃費)に

対する要求はよりシビアであり広いパワーバンドも有効であるが 気化器の固定ベンチュリーは構造的にこの

両者を満足する事が難しい。燃料噴射は燃料に圧力をかけ各シリンダーの近くにノズルによって噴射するので

適正な混合気を各気筒平等に配分出来 ベンチュリーが無いので吸入抵抗も少ない。燃料噴射の構造は燃料

ポンプによって加圧された燃料をマニホールド内に噴射する(間接噴射)。その為気化器のようなベンチュリーを

必要とせず 吸入抵抗が減りパワーアップが可能になる。更に低速時に空気量不足から混合比が薄くなる事も

無いのでパワーバンドも広くなる。ノーマルカーの燃料噴射は噴射時間をコンピュータによって計算し始動直後は

濃く スロットル開度の小さい時は薄くといったコントロールを行う。これは主として正確な混合比の為でトヨタEFI

 ニッサンECGIなどがこの方式である。一方レーシングカーの場合は出力や加速時の応答を重視する事から

定められた噴射量を各吸入タイミングに噴射し 且つ噴射の微調整が可能な機械式を採っている。この方式は

ルーカスやクーゲルフィッシャーが有名で コスワースはルーカス、BMWはクーゲルフィッシャー、三菱R39Bは

三国製。

シリンダーヘッド:K4改 


エンジンの高回転化により熱量も上がり 冷却効率を上げる為にウォータージャケットの見直し(ヘッド各部に透明な

樹脂板を張り 流れに渦が出る部分などに対策を施した)

吸入効率の増大に対してシリンダーヘッドを改修、吸入ポートや燃焼室に粘土を盛り付け形状を変え真空ポンプで空気を

引いて空気量を測定。

カムシャフトは作用角を広げ過ぎるとトルクが悪化、バルブリフトを増大して方が有利。エンジン最高回転数とバルブ加速度

との兼ね合いで作用角とリフトの両面から種類を選定。

最終燃焼室形状をセミペントルーフにする事(IN:多球形 EX:ペントルーフ形)とカムシャフトの作用角とリフトの

見直し インジェクションの燃圧の見直しでレスポンス向上し 264PSが得られるエンジンが出来上がった。






=クラッチ=

・クラッチマスター : ノーマル5/8 ”

クラッチオペレーティングシリンダー:ノーマルGT‐R用11/16 ” 

クラッチホース : ノーマルゴムホース


冷却系

※ワークスGT-Rはヘッド、ブロック各所に樹脂板を埋め込み水流の淀みをチェック、冷却効率が改善されていた。


オイルライン

※↑上記通り ノーマルウェットサンプ方式からドライサンプ方式に変更されている。

=シャシ=

=サスペンション=

基本的にスプリングは柔らかめ(スプリング:等長ピッチから不等ピッチコイルに変更)で

ロールはスタビライザー(F:Ф24 R:Ф19)で抑える方向のセッティング。

=空力=

ライトカバーを形状変更 ボンネットやフェンダーに段差を無くした。


フロントスポイラー:4DRに比べ空力が空気抵抗は8.5% 揚力18%向上したが フロント揚力が大きくなった分

フロントにスポイラーを設置、空気抵抗は1〜2%増加するがフロント揚力11%軽減 テールウィングとのバランスがベスト。



FRPドアに関してはボディとの段差で乱気流が発生し空気抵抗が増す事が判明:対策として1つ1つ手合わせで取り付け

対処を行う。


オーバーフェンダー:ブリスターに変更により空気抵抗が更に低減


=ブレーキ系=

フロントブレーキ:住友Mk63 4ポットキャリパー、ベンチレーテッドディスク採用(ディスク系ノーマル)


フロントブレーキ:キャリパー MK63型(ベンチレーテッド)

パッド:参戦レースにより選択

フロントディスク:ベンチレーション254mm

マスターシリンダー : 7/8 ” 

マスターバッグ : ダイレクト(無し)

OPT:スプラッシュガード

前ブレーキホース : ノーマルゴムホース


リアブレーキ:アルミフィン付ドラムからディスク化

(ドラム仕様)

マスターシリンダー : 7/8 ” 

リヤブレーキ:シリンダー 11/16 ”

リヤドラム : アルフィンドラム

シュー:参戦レースにより選択

後ブレーキホース : ノーマルゴムホース


                           リアディスク ‘72 6月には実践投入

=ホイル=

最終ホイル 神戸製鋼マグネシウムホイル フロント:8.5J‐14inch リア:11J‐14inch


=その他の装備=

ボンネットの開閉はノーマルヒンジ式からボンネットピンに変更

競技規定によりフロントガラスは合わせガラスに変更(ワークス;白無地,セミワークス;ボカシ入り)


GT‐R用軽量化部品リスト
   部品または部位 → 主要対策
 エンジン関係  クーリングファン → 径の短縮
 フライホイル&プーリー → 軽量品
 コンロッド&バルブ → チタン合金製
 エアファンネル → チタン合金
 ラヂエター → アルミ製3層
 エキゾーストマニホールド→軽量品ショートタイプ
 SPL;ヘッド シリンダー&スリーブ クランク
 エンジンルーム  バッテリーケーブル → アルミ製特注品
 バッテリーアースケーブル → アルミ製特注品
 マスターバッグ→取り外しダイレクト
 ボディ関係  ボンネット → FRP
 ボンネット変更に伴いヒンジ→取り外しボンピン
 ドアヒンジ → アルミ鋳造 
 リヤトランクリッド → FRP
 ドア関係&フロントフェンダー → FRP
 リヤウィンド → アクリル製
 ドアガラス → アクリル製
 フロント リヤバンパー → 取り外し
 フェンダーミラー → 取り外し
 ドライバーズシート → 軽量品
 パッセンジャーズシート → 軽量品
 リヤシート → 取り外し
 フロアマット → 取り外し
 グローブボックス&カバー → 取り外し
 ルームランプ&サンバイザー → 取り外し
 ヘッドランプ → FRPカバー
 フロントグリル → 取り外し
 ドア&ウィンドモール類 → 取り外し
 足回り関係  ホイル → マグネシウム
 サスペンションブッシュ → ナイロンブッシュ
・ドア内張り及び防震防音材除去 ・計器盤内不要なもの ラジオ ヒーター除去
 ・車体で強度に関係ない部分に穴開けなど
 備品:checkmanを流用

最終ワークスHT GT-R仕様

スカイラインHT・GT-Rは公認重量が1.020kg、

TS改造で10%の軽減が許されているリミット918kg;実質935kg前後


富士30度バンク疾走中のアクリルウィンドウは風圧で変形


雨天以外はワイパーアーム取り外し





※ワークスHT・GT-RのドライバーズシートはZ432R用オプションシートかcheckmanを採用






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=オイルクーラー=

フロントスポイラー前方にマウントされたオイルクーラー。

マウント位置は数度変更されたがスポイラーの採用に伴い最も正圧の高まるこの位置に設定された。

フロントスポイラーが装備された結果 僅かながら空気抵抗も減少し 揚力の減力を発揮出する事になった。



=レーシングGT-Rコクピット=




最終ワークス黒沢車


1972
 3 20 富士300kmスピード F-6 スーパーT C 15 高橋 国光 HTGTR 1 2’00”41 1 1 ←50勝
 4月  レースドニッポン
← ブリスターフェンダーGT-R登場
 5 3 日本GP F-4.3 T-b 高橋 国光 HTGTR 2 1’32”22 4 1    ←ロータリーに惜敗



 5.21 ‘72全日本オートスポーツトロフィーレース スーパーTS 高橋国光  ←ロータリーに惜敗
 6 4 富士グラン300マイル F-6 スーパーT C 15 高橋 国光 HTGTR 2 2’00”70 1 1
←51勝 ← リヤディスク初採用
 7 2 日本オールスター F-4.3 T-B   2 黒沢 元治 HTGTR 3 1’33”92 2
 ←ロータリーに惜敗 
 9 3 富士インター200マイル F-6 スーパーT C 15 北野 元 HTGTR 2 2’01”79 1 1
←52勝 ワークス体勢で勝った最後のレース


 10 1 ヤングニッポン F-4.3 2 V 52 久保田 洋史 HTGTR 8 1’35”00 3 1
 10 10 富士マスターズ250km F-6 スーパーT C 15 黒沢 元治 HTGTR 2 1’59”70 18 14
 ←ロータリーに惜敗
     
 ←富士6kmコース 2分を破る  増田カペラに敗れる     ワークス最後のレース



ワークス総監督を務めた青地さんの回顧録



You Tube 1972年 FUJI 250km RACE Part T で検索

PartTとPartUの2部構成

’72 富士マスターズ250キロのマツダ側のレースシーンが見られる。


デビュー以来無敵の50勝を挙げ、今や熟成の域にあるスカイラインGTR。

一方、この年急激な戦闘力アップを図ってきたマツダ・ロータリー軍団は、12Aエンジンを搭載するサバンナRX3と

カペラを揃え、総力戦の構え。予選では遂に「ハコ」がラップ2分の壁を打ち破る。

それも3台も。迎えた決勝レースは、両陣営が真っ向からぶつかり合った。

そして、それは文字どおり「ぶつかって」終わる。

メーカーの威信を背負った真正プロ同士の「仕事」とはこういうものなのか。

王者ワークスGTRはこれを最後に戦場から去っていった。

それは、GCメインレース以上に壮絶な「前座」戦だった。



「1972年富士マスターズ250キロ」

ロータリーvsスカG-R、最後の真っ向対決 ―「2分の壁」ついに突破

 この時のメインレースはマクラーレン、ローラ、シェブロンなどのマシンによって行なわれた

〈250キロレース〉だがこの号では、そのサポートイベントとして行なわれた

このレースは、格の上では前座扱いだが、日産とマツダがそれぞれファクトリー仕様のGT-RとサバンナRX3を投入。

メインレース以上の白熱した戦いが展開され、2メーカーの対決色が非常に濃い内容のものであった。

ドライバーたちも頭に血が上った状況となり、マシン同士のぶつけあいが頻発。

そのあまりに激しいドッグファイトぶりに対しては、批判の声も挙がった。

窪寺 泰昌選手(プライベーター・セミワークス)がスカイラインHT GT‐Rで

レース活動した時の使用パーツ群リスト資料

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=素朴な疑問=


俗称:セミワークスフェンダー                        俗称:ワークスフェンダー

私がパーツを買い集めていた頃 オーバーフェンダーの呼称でセミワークスタイプ、ワークスタイプと言う名を

良く耳にしたが映像が付いていなかったので判断に苦しんだ。結局上の図のものをそう呼ぶらしいのだが

どちらもワークスじゃないか と。新旧とかブリスターとかなら分かるけど良く分からない呼称が定着したものだ。

また 50勝当時のフロントオーバーフェンダーのレプリカはまず売っていない、これだけハコスカ人気が

続いているのに何でじゃ。唯一コレを付けてレースをやっているショップに聞いた事がある 「売らないのですか?」と。

すると「そこまで拘るヤツ居ないよ〜 買う奴居ないよ」と即答。「だって問い合わせてきた人オタクが始めてだもの」だって。

おいおいハコスカファンなんてそんなものなのか?腐るほど専門ショップも有るのに 目の付け所が・・・

私は付けないまでもコレクターズアイテムに是非欲しい。



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これらのワークスGT-Rの開発を知れば知るほど当時のワークスGT-Rに憧れや尊敬の念が増していく反面 
今となっては同じエンジンを到底再現も出来るはずも無い、流石に飛行機屋プリンス魂の技術力のすごさを思い知る。
S20エンジンは確かに宝石のようなエンジンですが だんだん「ノーマルのGT-R」に憧れのサーキットに君臨していた「ワークスGT-R」を
ダブらせる事が出来なくなってきたのです。

ワンオフのヘッド(燃焼室形状 バルブ)、カムシャフト、機械式インジェクション、鍛造ハイコンプピストン、コンロッド、クランクシャフト、
ドライサンプシステム、タコ足、マフラー すべてにおいてS20であってS20ではない 「S20の皮を被った○○」で市販車GT-Rには
程遠いつくり 性能のワークスエンジン。
それならL型エンジンであれば当時のワークス240Zの開発セオリーチューニングにのっとり S20にとって変わる心臓を
L型エンジンで再現し移植出来る、“昭和の匂い”がするハコスカを再現してみようと思ったのです。
40年前のクルマとは言え いつの時代でも“ハコスカ”は速くなければ存在価値は無い。