日産スポーツコーナー推奨パーツによるL28型エンジンチューン

究極のS20型エンジンは“究極のスカイライン 最終進化型”で紹介しましたのでここでの内容変更し

L型エンジンについて触れてみましょう。


日産ワークス 240Z ラリー仕様

L型比較諸元

まずL型というエンジンを知っておこう

=パワーユニット(吸排気系)=

L型ノーマルスペック
ボア×ストローク 総排気量 限界ボアサイズ 圧縮比 カムプロフィール バルブ径IN/OUT コンロッド長
 L20 78×69.7 1997   83 9.5  60°/62° 38/33   133
 L24 83×73.7 2391   87.5 8.8  62°/62° 42/33   133
 L26 83×79 2657   87.5 8.3   42/33   130.4
 L28 86×79 2752   90 8.3  60°/62° 44/35   130.4

 L20型 SUツイン  130PS/6.000rpm
 L24型 SUツイン  150PS/5.600rpm
 L26型 SUツイン  162PS/5.×××rpm
 L28型 インジェクション  145PS/5.200rpm

L28のインジェクション仕様
145ps/5200rpm 23.0kgm/4000rpm
155ps/5200rpm 23.5kgm/4000rpm(S130型フェアレディZ後期型専用)

ピストン径
ピストン径(Ф) 適応ピストン
 78  L20
 83  L14、16、24、26
 86  L28
 87  L28 O/S、XT500
 87.2  H20、30
 87.5  XT500 O/S
 89  G20、FJ20、FJ20ET
 89.5  FJ20 O/S
 FJ20ET O/S
 90  G20 O/S

クランク・ストローク
クランク ストローク(mm)
 L20  69.7
 L24  73.7
 L26、28  79
 LD28  83

コンロッド
 コンロッド 大端から小端間距離(mm)
 L14  136.7
 L16  133
 L18  130.4
 L20  133
 L24  133
 L26  130.4
 L28  130.4
 FJ20  140

●ブロック

外からの見た目上L20〜28まででブロックの大きさには変化が見られない。しかし シリンダーの内壁の厚さに違いが有り

各ブロックによってシリンダーのボア・アップの限界値が変わってくる。表に挙げた数値は限界値としながらも あくまで

どのシリンダーでもまず間違いなくその数値まで拡大でき しかもチューニングエンジンとして使用に耐える数値を上げた

ものだ。どのシリンダーでもと前置きしたのは 鋳物であるゆえに製品差も大きく あるものは4mmボーリングしても大丈夫

だが あるものは4mmではシリンダー内壁に穴が開くという場合があるためだ。ちなみにL型で最もボアの拡大が可能な

ものはL20でノーマル78mmから83mmと5mmも拡大できる。そのボア拡大は本当の限界値だがシリンダーの肉厚が最も

薄い部分で2mmといったところ。

●カムシャフト

カムシャフトは排気量により違うというよりも排気ガス規制の前後であるとか 始めに搭載されていた車種、ミッションの種類

生産された年代などによって変化している。勿論性能の向上をはかるチューニングであれば それを加工するなり 専用に

削りだされたもの、つまりハイカムを使用するようになる。また輸出用のカムは国内向けのものに比べハイカムであるので

(68度)、それを使う手もある。勿論 L型のカムは受け軸間の距離やカムホルダー、カムスプロケットなどがL20〜28まで

同様なのでどのヘッドでの流用は可能。

●クランク

L型エンジンの優れた部分の1つにL20〜28 強いて言えばLD28までのクランクの受け軸の寸法、シリンダー間のピッチ

がまったく同じというものがある。つまりこれは単純にストロークの違うクランクをどのシリンダーにも組み付けることが出

来る。厳密に言えばストロークが伸びた分 クランクに組み込まれたコンロッドの大端部やクランクウェイトがブロックに

干渉する場合があるのでこの部分は削ってやる。しかしこのことによりL20にLD28のクランクを組み付け可能なのでスト

ロークを69.7mmから83mmのロングストローク化も可能であり、またL28のブロックにL20のクランクを組み付け79mm

から69.7mmのショートストローク化も可能となる。使用目的に応じて4種類のストロークから選ぶ事が出来る。

●コンロッド

ピン上の数値の違うピストンを使ったりストロークの違うクランクを使うL型のチューニング、ブロックのハイトは変化しない

なのでどこかで長さを調整しなければピストンがブロックから突き出したり 逆にトップまで行かなかったりする。それでは

ヘッドが組めなかったり圧縮が低くなり過ぎたり適正化が図れない。ストロークが増大した分ピストンのピン上が短くなって

いればそれぞれ相殺されて問題は解消するがそれが出来ないばあいはコンロッドの長さで調節する事になる。その場合

よく使うのがL14、FJ20などのコンロッドだ。またスタンダードのコンロッドの小端部を偏心加工を施すことで対応も可能

だ。

●ピストン

L型はL型同士でもまた他機種からもピストン流用がやりやすい。ボアアップがチューニングの主流となっているL型だけに

専用のピストンも多く存在する。純正流用の場合バルブリセスを追加加工しなければならないがその分圧縮が下がったり

燃焼効率が下がるデメリットがあるが低価格でしかも純正パーツだけに充分な強度あることに魅力はある。専用ピストンは

パワー&高回転を追及し設計しているだけに純正パーツ流用に比べ形状が大きく異なる。


=L型チューニングメニュー=

 使用ブロック  ピストン  クランク  コンロッド  排気量  備考
 L20(1.997cc) L14・16 Ф83 L20(69.7)  L20 2261cc ピストン・ピンを圧入か フローティング
L24 Ф83  L24(73.7)  L24 2391cc  同上
L26 Ф83  LD28(8.3)  L28 2693cc ピストン上面2mm面研 バルブリセス加工
Ф82.5 ※@  LD28(8.3)  L20 2660cc
Ф83 ※@  LD28(8.3)  L20 2693cc

L24(2.391cc)  L28 Ф86  L28(79) L28 2752cc
 Ф87 ※@  LD28(83) L24 2958cc

L26(2.657cc) L28 Ф86 L26(79) L28 2752cc ピストン・ピンを圧入か フローティング
L28 OS Ф87 L26(79) L28 2816cc  同上
XT500 Ф87 L26(79) L14 2958cc ブロック1.5mm面研 リセス加工 コンロッド偏心加工、他
XT500 OS Ф87.5 L26(79) L14 2998cc  同上
Ф87 ※@ LD28(83) L26 2958cc

L28(2.752cc) XT500 Ф87  L28(79) L14 2958cc  同上
XT500 OS Ф87  L28(79) L14 2998cc  同上
FJ20 Ф89  L28(79) L14 2947cc  2mm長くフルフロー加工 バルブリセス加工
FJ20 OS Ф89.5  L28(79) L14 2980cc  同上
FJ20 Ф89  LD28(83) L14 3097cc ピストン2mm面研 リセス加工 中心フルフロー 1.2mmガスケット
FJ20 OS Ф89.5  LD28(83) L14 3131cc  同上
FJ20 Ф89  L24 (73.3) FJ20 2749cc ピストン0.8mm研磨 リセス加工 中心フルフロー
FJ20 OS Ф89.5  L24 (73.3) FJ20 2765cc  同上
Ф87 ※@  LD28(83) L28 2958cc
Ф89 ※A  L28(79) L14 2947cc
Ф89 ※B  L28(79) 139.5 2947cc 亀有オリジナルコンロッド使用
Ф89.25 ※B  LD28(83) 138 3131cc  同上
Ф89.5 ※B  LD28(83) 138 3131cc  同上
Ф89 ※C  L28(79) L20 2947cc
Ф89 ※C  LD28(83) L28 3097cc

※@トモエ商会オリジナルピストンキット ※Aまつおかオリジナルピストンキット
 ※B亀有オリジナルピストンキット ※C東名オリジナルピストンキット 

※ここで要注意はバイクのピストンを使った場合 良くエンジンブローした話を聞く。ピストン単品はクルマ用のピストンに

比べ非常に軽い、と言うのも特にピストンピン周辺の作りがまったく異なるからである。ピストンは結局車体の総重量を

ひとえに支えていると言っても過言ではなく バイクの重量と比べても比ではない。だから耐つわけが無いのです。

出来るなら避けるべきでしょう。そして中古のピストンを組むなんて程度にもよるが基本的には論外で話にならない。

L28ベースにL24クランクを使い ボアをФ89にする、ショートストロークL28エンジンが出来る。同時に圧縮アップも
行えばレスポンスが良く パンチが効いた高回転型のL28エンジンが出来る。このレイアウトが理想的だと思う。


以上の事を踏まえて自分が思うエンジンを作ってみよう。

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温 故 知 新

L型最高峰日産純正 クロスフローヘッドLY280型エンジン

レーシングマニュアルより抜粋 

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また 参考までにOS技研のツインカムヘッドも高名だ。

OS技研資料


現実的に L28型エンジンのターンフローヘッドを用いたチューンを参考にしたい。

作業加工については日産レーシングマニュアルに準じて行う。

実施項目のみちょっとだけ触れておこう下記↓

主要パーツは↑上記を参考にすれば充分だが これらのパーツが最大限のパフォーマンスを発揮出来るよう

重要なのは 加工や精度、組み方など細かいノウハウバランスが大きなカギとなる。

実際扱い易い性能を発揮出来るようパーツを選び実施したい。


240ZG初テスト車両:
富士スピードウェイにて


240Z LY24エンジン

ワークスはL型エンジンに最後までインジェクションを投入されなかった、

A型エンジン(サニー、チェリー)でさえルーカスフューエルインジェクション仕様であったのに。

何か特別な意図があったのだろうか。

To be continued.



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