それでバネレートからやり直して、ちょっと乗りにくいけどもタイムの出るマシンにして最終レースに臨んだんだ。 今まではエンジン回転数を8500rpmくらいで抑えていたのかな? エンジン屋さんも「回せるだけ回していい」 ということになってね。それで初めてあのS20型エンジンを1万…1万300rpmくらいまで回した。 それであの時のベストタイムが出たんだよ。ついに富士の6kmコースで2分を切ったんだ。 R380でさえ1分56秒くらいしか出てないのに、1分58秒3っていうタイムが出た。 決勝は、ロータリーの周回遅れが体当たりしてこなければ勝てたんだよね…。 今思うとね、S20型エンジンはその回転に対するバランスの悪さでエンジン振動がものすごく出るから、 結局ブロックだとかクランクのメタルを押さえる部分とかすごくゴツくなってさ。 だから、良いエンジンだったけど重かったよね。どでかいエンジンでさ。 でも最後の頃はね、1万rpm以上回ったから、バランスも少しずつ直してきて良いエンジンになったんだよ。 最後の頃は、限界まで回しても壊れなかったね。R380はその頃はもうル・マンに出ないっていうことになって 開発が止まっちゃっていたから。当初はR380のエンジンの方がすごく良かったけども、 最後はGT-Rの方がパワー出ていたんだよ。結局、中身はほとんど同じになっちゃったんじゃないの? 最後は。