ヴァイタル的エンジンチューニング

兼ねてより我がヴァイタルでは”2ストも4ストも同じである”と言う事を言ってきています、

ひいてはバイクもクルマも同じです。同じ燃料を使い形式こそ違え 出力を得ているという意味では

と 言う事です。必ず同じ役割をしている部位があり その役割が分かっていればチューニングは

可能であると言う観念で見てください。


XL200R(MD06)編

------------------------------------------------------------

この度 ある事情がありましてやも無く急遽 ウチの社用車 サニートラックのエンジンを積み替えないと

いけなくなりましたので その積み替えるエンジンを実用レベル(街乗り 通勤 バイクを積んでの移動)で

チューニングを実施し積み替える事にしました、その手法をご紹介します。


スペアで取っていましたA12型エンジンは現在載っているものと違い 走行距離が極めて浅いもの(7.000km)と

分かっていましたので圧縮関係周りをチェックする。

↑ バルブの焼け カーボン付着状況 バルブの当たりをチェック

↑ カムチェーンの伸び クランク、コンロッドメタルの当たりチェック
オイルポンプ、ヒューエルポンプの確認

↑ ミッション ベアリング、バックラッシュ、プレートの磨耗をチェック

↑ ロッカーアーム、カムのフェイス面 プッシュロッドの磨耗をチェック


各部のチェック結果

・カム、ロッカーアームのフェイス面はカジリ 引きずり傷はまったく無く良好

・ロッカーアームシャフト、ロッカーアーム、プッシュロッドのガタ無し

・バルブ周りのカーボン付着も少なく 当たりもジャスト1mmと良好 焼けから見てみてもベスト

・ピストンリングの当たりもまだ半分しかなく ガス圧の抜け無し、ピン周りのガタ無し

・カムチェーン、スライダーの磨耗微弱

・オイルポンプ、ヒューエルポンプのヘタリ無し

------------------------------------------------------------

以上 各部チェックののち 組み上げの構想を練る。以前より買い溜めていたパーツ郡を組み込みたい。

クルマのエンジンは頻繁に積み下ろしがおっくうであるため イッパツで決めたい。


・まず 腰下のクランク周り:センター出し、メタル合わせを実施。メタルはニスモ耐久レース用を使用。

・カムチェーンに対しても新品に交換

・ピストンリングも新品に交換、4個のピストン重量を合わせるのはいうまでもない。


・ヘッドポートですが ノーマルは丸ポートで今度付けるインマニが楕円形である為 形状を合わせる。

が ウォータージャケットに干渉し 穴を開けてしまった。乗用車のサニーのヘッドは楕円ポートで

発生馬力も大きいので合わせたのだが ヘッドは共通の鋳型ではなかった。

↑ 楕円ポートヘッド(乗用車用)

予備ヘッドがあったのでそれに気をつけて再度段合わせをする。

・そして ノーマル圧縮9.0:1を面研でアップを図るが 1mm研磨で10.0:1、ちょっと上がり過ぎである。

そこでバルブ干渉対策も含め バルブセット位置を0.5mm奥に入れて摺り合せを実施、9.7:1に設定できる。

ステムシールも新品に打ち変え、動弁系の軽量化にアルミリテーナー、アルミプッシュロッドを組み込む。

・カムシャフト選択に当たり使用用途で選ぶ。1本はノーマルですが プロフィールは3種類。

@乗用車タイプノーマル A80°尖がり山2mmリフトアップタイプ B76°丸山1.5mmリフトアップタイプ

どうせ組むならハイカムを組みたいが @はサニトラのノーマルより良いがチト中途半端かな とするとAかBになる。

競技的走りをするならBだが 街乗りユースですのでHOTCAMのようなフラットトルクでピークエンドでよく回るAを選択。

・勿論 面研、バルブ加工などでカムタイミングが変わるので バルタイを取り直す。

・アルミのオイルパンも付けたかったがオイルストレーナーや最低地上高の兼ね合いもあり やも無く断念。

・フライホイルも当然 軽量化を実施。

・クラッチプレートも新品に交換し プレッシャープレートも強化型を装備。

・クラッチを軽くする為に レリーズの延長も実施。

・ミッションの各部を点検、ベアリングなどを新品に交換。

・タコ足、SUツインキャブを装備し 完成。以前はシングルキャブでしたので実用を考え 乗用車のノーマルを選んだ。

どんなフィーリングになるか楽しみだ、ヘビーチューニングでは無いものの ”通勤快足セット”よりは

良いフィーリングになるようパーツを選んだつもりです。

戻る