現在に至るまでの経緯

子供の頃からの念願 10年ぐらい前に入手した当時の状態です、前オーナーは二十歳代の若い子で

名古屋の専門ショップから購入して1年足らずで手放す事になり ほとんど乗っていないという事だった。
(このガレージの横にはハチロクがあり 峠仕様になっていて もっぱらコレに乗っていると言っていた)

ローンで買って残債も残っている状態、この値で売っても大赤字だと言っていました。素朴に「なんで?」と

思ったものの 私の身の回りでも ちょこちょこ乗っているのを見かけるが1年もすれば見なくなるのが

通例であった為 「思ったのと違うし 金が掛かる」と言う感じで転売するのだろう と自分なりに解釈していました。

憧れから実際所有するまでの間 不幸にも経験として乗る機会も無く ハコスカの乗り味がどんな感じかも

知らずにいた、漠然とハンドルやペダル類はソコソコ重いものの 発売当時は家族の足としてあれだけ

売れ流行ったクルマだけに 一応は普通に乗れるものだろうと思っていました。

(古いクルマばかり乗ってきた為大体の想像はついた)

いざ 手に入れてみないと分からないもので 見た目は

「う〜ん いいんじゃな〜ぃ」フレーム回りもしっかりしていそうだし 車高の下がり具合も・・・

全体的なフォルムもいい感じだ と思っていました。

このアングルなんて「く〜ぅ」っていう感じ。


いざ引き取ってどんな感じか試乗してみた。

まずハンドルを切ってゆっくり進むと“バキッ バキッ バキッ”と異音と連動してハンドルに振動が・・・

アウト側のタイヤが内側との内輪差で飛んでいる事はすぐに理解出来た、マウントのピロアッパーが

その衝撃で音が出たのでした。ハンドルも重い、フロントは8J−14のワタナベが入っている。

まっすぐ走っていると路面の凸凹で身体が踊る、マンホールの段差でも身体が跳ねる サスが硬いと

思いつつ 轍でハンドルが取られ振られる。

このままでは乗れたモノではない。サスを見てみるとこんな↓ものが入っていた。

NISMOのスプリングをカットしショートストロークのダンパーの組み合わせだった、折角のNISMOが・・・

フロントのバンプラバーがすでにボトムしている状態だった。ココまでやったら外観で上映像↑のようになる。

そしてキャブバランス悪しでエンジン絶不調 マフラーから白煙 ヘッドライト点灯せず。

これでは載れたモンではない、オマケにブレーキがこれほど効かないモノかと思うほど効かない、

クラッチは交換済みと聞いていたが3.000rpm以上ですべり発生&ミッション→ドライブシャフト間オイル漏れ 

前オーナーがこの仕様にしたのか 販売時からコレだったのかは

分からないがイヤになって売るのも分かる(こりゃ手放すわけだ)。

現状は

・前後サスNISMO(スプリングカット)
・ブレーキ回り:ノーマル(マスターバッグ:ノーマル マスターシリンダー:7/8のみ交換)
・エンジン:L28ノーマル ソレックス44 Ф45タコ足 電磁ポンプ ラジエター:ノーマル エアホーン(ヤンキーか!)
・トラストディュアルマフラー:テール跳ね上げタイプ(ヤンキーか!) 
・内装:GTノーマル(シートを含む) 4点式ロールバー 
・ミッション&デフ:GTノーマル フロント&リヤホイル→ワタナベ8J9J‐14 フロントスポイラー
 フロントオーバーフェンダー フロントタワーバー ピロアッパー 点火:MDI&日立フルトラ 
 DUTSUNコンペハンドル
 リヤバンパーに腐り穴有 その他錆無し


そこで当初の使用目的(通勤:普段の足&高速走行)を満足させる為に 別コーナーに記載通りの手直しを実施。

エンジン:フルオーバーホール ヘッド面研 NISMO74カム キャブ:日立製 H J G 46W‐8型 

ノーマルエキパイ&ディュアルサポート GT‐R純正マフラー アルミ3層ラジエター 68度サーモ ホース系新品 

機械式純正フューエルポンプ

サスペンション:ダンパー亀有ストリート&ZOOMSP Fブレーキ:260mmベンチ&大口径4ポットキャリパー 

Rドラム:アルフィン&ビッグホイルシリンダー ブレーキ&クラッチホース:メッシュ

ミッション:F5C71B デフ:R200ノンスリ3.7:1

フロントスタビ:Ф24ワークス リヤ:280ZXФ20加工

詳細は前述のコーナー参照下さい。

別のサイトで購入まもなくエンジンから白煙が出たのでオーバーホールしたと言う事が書いてあったが いくら古い

といっても250万出してそれは無いんじゃないかと思うのだが・・・やはりファンネル仕様の購入は要注意だ。

別件でこれもハコスカ専門店の中古で一際目立つカラーリングのハコスカが出ていて「これは買わないだろう」と

思っていたら オークションでどっかで見たようなハコスカが出ている ええっ〜! 

買って2〜3ヶ月しか経ってないじゃないか!! 

買ったけど思ったのと違って “ドエライモン買ってしまった”ヴァ〜ジョンだろう。ノーマルベースの綺麗なハコスカが

少ない中 お約束のオゲレツな元に戻せない改造(これが今の若者にはカッコイイのだろうが)され またショップでは

違うエンジンを載せて売っている 益々少なくなっていくのが寂しい限りです、とそんな事は要らないお世話な事でした。


 さて 幾度も謎のエンジンストールもおそらくだが解消され デフレシオ 機械式ノーマルポンプ変更後初めての

高速走行の時が来た、故郷への帰省に高速で300kmの行程を走らなければならないのです 家族4人で それも

荷物満載・・・時間が有れば試しで走っておこうと思ったのですが残念ながらぶっつけ本番となってしまいました。

いつもの高速入り口から合流までひたすら踏みっぱなし状態で約3分、以前2度ほどガス欠のようにエンジンストールが

起こった場所から始まる。2つの不安要素があった、謎のエンジンストールと機械式ノーマルポンプの供給量が足りるか

どうか 圧縮アップにハイカムのL28エンジンにL24ノーマルキャブ ましてや高速振りのファイナルなのでかなりの

高負荷になると思われる。電磁ポンプ2連装にレギュレータが定番のようでこれに比べれば吐出量はかなりショボイ。

様子を見ながら走り出すもその徴候は見られない。メーター読みで100km/hで流していると追い越し車線ですぐ

先が詰まってしまう、ペースを上げてメーター読みでぬふわkm/hまで上げ巡航〜何ら変調は出ず。調子こいてメーター

読みでぬうわkm/hまで上げても問題無し。この状態で走っていると もうブッちぎり状態で先行車にあっと言う間に

追いついてしまうので先行車は道を開けてくれる。マフラーも静かでオーディオもクリアに聞けて実に快適そのもの。

コーナリングも65扁平のタイヤタワミの割にはしっかりしていてビシッと決まっている、それとハコスカのビデオなどに

多く見られる ギャップを受けた時に車体の動きが上下にゆらゆら収まりが悪そうな動きを良く見る(ダンパーが効いて

おらずスプリングのみの動きのような感じ)、これは側から見ても実にかっこ悪い、また逆にガッチリ固めているのも

車体の動きが小刻みにベラベラとピッチングしているのも族車っぽくて なんだかなァ〜と思う。

スプリングは不等ピッチのものでやや乗り心地重視でダンパーはやや硬めのセットが正解でハイスピードのギャップでも

一発で収まるしストロークする質感が実に豊か 揺り返し無し。

ハコスカの車体剛性やハンドリング 車体の挙動などなど 40年近く前の車とは思えないほどニュートラルで扱い

易く素直な事に驚いた、クォリティの高さを感じる。各部位の設定 装備レイアウトしたパーツ類も正解だった。あっと

いう間に目的地に到着、オドメーターを見ると250kmしか上がっていなかった、これがファイナルを変えた誤差だ。

計算してみると メーター読み100km/h→実際ぬふわkm ぬふわkm/h→ぬううkm ぬうわkm/h→ぬおゆkm 出てい

た事になる。道理で周りのクルマが遅いわけだ、燃費も踏みっぱなしで12km/Lは過去最高であった、

今のミッション&ファイナル比は私の使用目的にはまさに黄金比だ。

懸念していたトラブルも出ず 水温も相変わらず低く安定していた。これでベースは決まった 実に走行安定性 機関の

信頼度に満足した結果が出て良かったと安堵している。ハコスカをセットアップするに当たり KPGC10、240Zのレース用

マニュアルに順じ行った事が正解であった、答えは “レーシングマニュアルに有り”。ハコスカの操安性を損なう事無く

自分の中で “昭和のハコスカ”が復活 再現出来た事に満足しています。

この往復の間 旧車に1台も出会わなかった(ここ10年来ほとんど有った記憶が無い)。

合流などの割り込みには ほとんどの人がすんなり道を開けてくれるので非常に助かった。

(普段乗りで後ろの車が走るにしても止まるにしても車間を多く取るのは何故だろう?)それと40年近く前の車に

“ブッシュ〜”と抜かれた高級国内外車 3ナンバーのハイソカー スポーツカー達はどう思ったのだろう?

今回は喰らい付いてくるモノは1台も無かったのが実に寂しい限りだ。

いずれにしてもハコスカは最高の男前なクルマであった!!


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今のハコスカをチューニングするパーツ群を見ると 若かりし頃の私のやった事を思い出す。

バイクを運ぶトランポとしてハイラックスショートボディ4×4 2000のガソリン車に乗っていた。

その当時 世間ではまだ車高上げもそんなに流行っていない頃 アメリカのビッグフットなどが

かっこよいと思い 徐々に手を入れ始めた。そうするともう止まらない、いかに車高を上げるか

しか頭に無い。シャックル、リーフ、ボディリフト・・・ とグングン上がってゆく。回りでもよく見る車高が

上がったもののほとんどはフロント駆動シャフトが届かなくなるのでシャフトを外し2駆(リア駆動のみ)に

なっているものがほとんどであった。私のはアタッチメントを作成し4駆のままで上げる事が出来た、

勿論すべて自分でやりました。気が付くと乗車時の自分の視線がバスに乗っているお客さんと同じまで

なっていた。上げれば上げるほど重心が高くなりロールが大きくなる、それを防ぐ為に前後ショックの本数が

増えてゆきサスはガチガチに。少しでも高く迫力が増すように太く大きいタイヤを履く そうするとハンドルが

重くなり轍などで取られる、それを防ぐ為にステアリングダンパーを入れる それでまたハンドルが重くなる。

最初のうちは自分が乗るのにも乗り難いが上がっている証としてその分嬉しかったが 乗っていくうちに段々

不便を感じて ちょっと用事に出るのも敬遠し始め 乗る機会が少なくなってきた。

もう一台下駄にとおもい趣味半分でサニトラも買っておいた、それを頻繁に乗るようになった。

サニトラは言うまでも無く真逆でボディも小さく小回りが利き荷物も載せ易い、当たり前なのだが

乗る車が複数あればどうしても乗り易いものに乗ってしまうのです。ハイラックスは

屋根までの高さを計ると2.5mにまでなっていた。ふと吾に返ると本来バイクを運ぶ為のトランポ

目的だったのが自力で上がらなくなっていた、そこでロールバーを組んで電動ウィンチを装備。

それでも乗せ下ろしに一苦労 段々面倒臭くなっていった、パワーゲートが欲しいぐらいになっていた。

金や手間を掛け 見た目に走ったばかりに乗り辛くして何をやっているやら 本来の目的が台無しに

なっている。そして私は売る事はせずノーマルに比べ2.5インチアップまで戻してしまいました。

そしてしばらくしてサニトラは残しハイラックスは売ってしまった、そんな事を連想したのでした。

この例えが何を言っているか お分かりでしょうか?

最終



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